このサイトでは主に小規模事業者向けに人材紹介事業の立ち上げをお勧めしていますが、低コストではじめられて収益が出るのが早く継続性がある、という意味では起業向けでもあると感じています。
そのため小規模事業者の新規事業立ち上げおよび経営者の方に新しい事業創出という面でもお役立ていただけるかと思います。今回は、人材紹介事業のビジネスモデルを説明するとともに、どのように収益を最速で出していくか?といったハウツーを、完全独自の視点でお届けします。
目次
人材紹介事業のビジネスモデル
まずは人材紹介事業のビジネスモデルからです。こちらに関しては以前の記事
新規事業の狙い目!人材紹介事業をおすすめする理由を徹底解説のなかで「人材紹介事業の大きな流れ」のなかでご紹介したとおりです。もう一度おさらいしてみると、
1.集客について
まず、人材紹介事業だけに限らずビジネスをスタートさせるときには「見込み顧客はどこにいるのか」ということを考えていく必要があります。人材紹介の場合はわかりやすくて、「転職したい人」がどこにいるのかを考えると良いです。
そのため、ハローワークとよばれる公共職業安定所、リクナビネクスト、BizReach、Doda、GREEN、キャリトレのような転職サイト、リクルートエージェント、マイナビエージェント、type転職エージェントのようなエージェント(紹介会社のことです)、その他Indeed、engage、キャリコネなどの求人掲載サービスなどがあります。
カテゴリーだけでもこんなにあるのです。具体的な社名に関しても、ここで記載したものはごくごくごくごく一部です。実際には数えきれないほどの転職サイトやエージェント、サービスがあります。
よくあるのはその他に、「オフィスワークに特化した転職サイト」だったり「女性のキャリアに特化するエージェント」だったり、決められた地区だけに絞って求人を掲載している会社もあったりと、あらゆるセグメントで転職者を集めるプラットフォームが存在します。
これを見ていただくと文字通り「カオスマップ」です(笑)ちなみにここには書かれていない小規模の人材紹介会社がもっともっと無数にあります。
引用:テックゲート
求職者でも迷ってしまうほどの数の転職向けサービスがあるわけですが、人材紹介会社からすれば、こういったところに自社の求人を載せて、求職者を集めることができれば良いわけです。
よく地元の求人誌を覗いてみると地元のお店が載っていて親近感が湧く、みたいなの昔よくありましたよね。そういった地元の求人誌に載せるというのもひとつの手です。
あとは、集客にかけられるコストとの兼ね合いなのでよく検討する必要があります。ちなみに、転職サイトに求人を掲載する場合には基本的にスカウトという形をとります。スカウトは月額100万などがかかるのでコスト高です。
このあたりはコストを抑えて確実に集客する方法をこちらの記事で詳しく紹介しています。
1-2.営業について
人材紹介会社が集客とは別で行わなければならない重要なお仕事が「営業」になります。人材紹介における営業とは法人営業になりますが、その役割はずばり「求人開拓」です。こちらはRA(キャリアアドバイザー)と呼ばれる役割になります。
当然のことながら、求職者を集客できたとしても、紹介する企業がなければ人材紹介事業は成り立ちません。そのため、求職者の集客意外にも並行して法人営業を行う必要があります。人材紹介の営業はほぼ新規開拓になるのでなかなか大変です。
私はやったことがないのでわかりませんが、テレアポで商談に繋げていく従来のスタイルだと聞いています。
2.面談について
さて、ここからは面談のお話に入ります。人材紹介、と聞くと「面談」のイメージが強い人も多いのではないでしょうか?正解です。人材紹介では面談が一番大切になってきます。こちらはCA(キャリアアドバイザー)と呼ばれる役割です。
私は立ち上げから最初はひとりだったこともあり半年で約600名面談をしてきましたが、上の図解のとおり、8割か9割くらいの人が「そんな求人ないぞwww」という無理難題を希望条件として掲げてきます。でも、仕方ないのです。
理想が高くなくて、かつ良質な人材であれば、そもそも転職に困ってたりしないし、我々に相談しに来るわけがありません。
「なにか問題があるから今ここにいる。」という前提を忘れてしまうと、ある程度面談に慣れてくると「この人もか……」という一種の落胆のループにはまっていくので要注意。あくまで「なにか問題があるから今ここにいる」のですから、そこをヒアリングのなかで見つけて、どうしたら前に進むことができるのか?改善策を見出すのが面談者の役割です。
↑と、思う方もいると思いますが、実は面談は基本的に「型」とヒアリングフォーマットがあります。慣れるまではフォーマットに沿って会話を進めていき、慣れてきてスラスラと面談ができるようになってきたら自分なりのアレンジを加えるくらいでOKです。
でもその頃には、どういう人が受かる人でどういう人が受からない人かが面談開始5分くらいでわかるようになってくるので、良い意味で効率化されて人数を捌くことができるようになります。ここまで来ると面談も全然苦じゃなくなるので、やはりある程度数をこなすことは大事ですね。
3.面接対策について
面談が終わり、エントリーを出し、書類選考の通過の是非を待ちます。書類選考が通過したらいよいよ面接対策になります。実は面談と同じくらい重要なのが、この「面接対策」なのです・・・!
私は自分自身が面接に苦労したことがなかったのと最低限の常識だけ抑えておけば、あとはその場でなんとかなっていた人間だったので、一時期まで面接対策の重要性が全く理解できていませんでした。「なんで落ちるの?」という感覚。
ですが、ある時期になって、CAとして面接練習が甘いのではなかろうかということに気がつきました。そこで改めて求職者の方々と向き合ってみると、私の想像以上にみなさん面接対策がデキテイナカッタノデス。
面接対策どこか「志望動機も考えてません」というレベルです。でも、これが私たちのターゲット層である「ローキャリア人材」の特徴でもあります。決して悪い人たちではないのですが、平気で事前準備を怠ったり、遅刻したりします。
だからこそ、面接当日までのこちらの準備がすごく重要だし、髪型や服装、みだしなみなども事細かに教えてあげる必要があります。時には志望動機を一緒に考えたりすることも。それも、こちらが慣れてしまえばなんてことないのですが、最初は一苦労するかもしれません。
さてさて、私が人材紹介事業を立ち上げたのはコロナ禍だったのですが、面接対策には新たな壁ができました。それがWEB面接です!WEB面接は正直、やはり対面よりは良くも悪くも「伝わりづらい」ので、ネガティブなことも伝わりにくい、ポジティブなことも伝わりにくいのが特徴です。
まさにこの画像のように、新たな課題がいくつもあります。
- 背景はできるだけ白い壁
- Zoomの仮想背景でも良いがたまに消えることがあるので注意
- スマホを使うと顔の下から煽るような形なり見栄えが良くない
- 電波が悪い、声が聞き取りにくい等があると普通に減点
- 部屋のなかが見えないようにする(めちゃくちゃ綺麗であればOK)
ざっとですが、これらのような課題があります。特に若い方はみなさんスマホを使って面接をするので、個人的に気になるのはいつも背景とアングルですね・・・!できる限りWEB面接でも良い印象を残せるよう細心の注意を払っていきましょう。
4.面接後フォローについて
求職者の面接が終わったら、次は面接後フォローです。面接が終わるとついついCAとしての役割を終えたと思ってしまいがちですが(笑)大事なのは面接後フォローです。
面接が終わったらその日中に求職者に電話をかけて、今日の面接についての感触をヒアリングします。ここでもヒアリング内容は別途ヒアリングシートがあるので、それに沿って行なっていけばOKです。
求職者からヒアリングをしていくと、求職者の温度感や面接の合否もなんとなく見えてくるようになります。そして、もしここで「面接の感触もよし」「本人の志望度も高い」ということになれば、ここでようやく売上見込みとして計上します。
もちろん、これを面接が複数回ある場合は複数回、かならず面接があった際に行います。
ここで求職者から、「正直今日の会社は微妙だった」「人事の人が嫌だった」「思っていた雰囲気と違かった」というネガティブなフィードバックが来ることも当然あります。ですが、もし企業側が確度が高ければ内定が出る可能性もありますから、できる限りフォローしてあげてください。
また懸念点についても、企業側に伝えることで解消したり、こちらが交渉することで前に進むこともあります。それこそが人材紹介会社の役目でもありますので、とことん細かいところまでフォローしていけるといいですね。
5.内定承諾と入社までのフォロー
最後のフローです。がんばりましょう!面接対策が功を奏し、無事内定が出ました。
内定が出ると企業側から「内定通知書」もしくは「入社条件通知書」が書面で届きます。こちらをまずは、求職者にすぐ送るまえにこちらで確認し、齟齬がなければ求職者に送ってあげてください。
双方条件が一致すればその場で内定承諾(内定を受けること/入社の意志表示)をもらうことができます。できれば内定が出たとは、すぐに電話をかけて、口頭で内定承諾の意志をもらうようにしたほうがベターです。
しかし!内定承諾まで行っても「入社前に辞退」ということは、割と起こります。本当は起こってはいけないし、我々の立場としても起こらせてはいけないのですが、相手は人間です。パーフェクトは難しい。ということで、内定承諾後もできる限り頻繁に連絡を取ったり、場合によっては入社後も相談に乗るなどの配慮が必要です。
私も、入社後の方から「やめたい」という相談が来ることがよくありましたが、なんとか「もう少しがんばれ」という旨を伝えていました。特殊な事情で本当にやめた方が相手の為であれば止めませんが、このご時世に短期離職は非常にイタイです。なかなか次の転職先が決まらない経歴になってしまうので、よほどのことがない限りは止めてフォローしましょう。
5-1.返金規定について
また、人材紹介事業において覚えておくべきことのひとつに「返金規定」というものがあります。下記の画像のように、採用企業は、人材紹介会社から紹介のあった人材が早期に退職してしまった場合、紹介料の何%かを返金してもらえる権利がある、返金規定を定めていることがほとんどです。
私たちのターゲットであるローキャリア層は、平均単価30〜40万と非常に低いのが特徴です。にも関わらず、早期退職で返金ということになるとかなり勿体ないのが現実です。そのため、当然ながらできるだけ早期退職が起こらないよう、面接時から配慮し、入社後も必要であればフォローする必要があります。
【完全独自】最速でキャッシュを生む人材紹介モデル
ここまでが人材紹介事業における簡単なフローの説明でした。では「【完全独自】最速でキャッシュを生む人材紹介モデル」ということで、小規模事業者が人材紹介事業を立ち上げる際におすすめな方法を、独自ノウハウとしてお伝えします。
それが、「営業(RA)を無しにして面談(CA)だけで収益を生む」というやり方です。つまり、営業による求人開拓をしないということです。
そうすると、営業職を雇わずに優秀なCAがひとりでもいれば収益化できるビジネスモデルができあがります。そのためには、なにかしらローコストで求人を獲得するフローが必要ですよね。ここで登場するのが「求人データサービスを使う」という技です。
そうすることで求人開拓の手間が省け、集客と面談に集中することができるので、グッとコストが下がるのです。この手法を採用した時点で最悪2名からでも事業を回すことができるのがメリット。ちなみに私が立ち上げたときはこのやり方で最短で収益をあげ、成功事例としてインタビューを受けるなど大躍進しました。
この方法を行うと最速でキャッシュを生むことができるので、詳しくは下の記事で詳しく解説していきます。具体的な集客と求人データベースのおすすめツールもご紹介しています。
人材紹介事業の立ち上げに必要なコストと成果が出るまでに必要なリソース求人データベースには豊富な業種・職種の求人案件があるので、人材紹介会社は求人企業に営業しなくとも求職者に紹介する求人を使って人材に求人を紹介することができます。また、一元管理システムによって求職者や求人の管理にかかる工数も削減できます。
まとめ
今回は人材紹介業の知識がゼロの方でも、最速でキャッシュを生み出すための基本的なビジネスモデルと、1〜2名程度の人数からはじめる場合のはじめ方をご紹介してまいりました。
- 集客
- 面談
- 面接練習
- 面接後フォロー
- 内定承諾と入社フォロー
この流れをしっかり覚えておいていただき、さらに効率的にコンパクトに、かつコンスタントに収益を生むための具体的なハウツーについてもお伝えしてまいります。